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前回のコラムでは、被災されたわかめの生産地である石巻・十三浜に届けた作業台と椅子について紹介しました。昨年現地に訪れた際に、加工作業や販売のためのスペースになるようなドーム型の小屋の提案も、テイクスから支援グループの方にさせていただいていました。帰京後すぐに、作業小屋として実現できないかという連絡をいただいたものの、あまりに急なスケジュールであったこともあり、その時点では断念せざるをえませんでした。その後、いつ依頼が来ても対応できるようにと検討を進めていたのですが、被災地の地権問題が足かせになっていて、残念ながら未だ建設には至っていません。

テイクスで提案させていただいたドーム型の小屋は、ほぼ単一の木質材料(Jパネルという国産杉材の繊維方向が互いに直交するように三層に積層させたもの。)だけを、最小限の仕口加工だけで、構造的に安定しながら、組み立てられるようにしたものです。パネルとパネルの間から光を取り込める明るいドームとなります。同じシステムの繰り返しで仕口加工されたパネルを差し込むように組み立てて行けば良いだけなので、基礎や屋根部分を専門家に手伝ってもらえれば、現地の方々やボランティアの参加でセルフビルドのようにも作ることができます。木の香りに包まれた、簡素なドームが、生産者の方々の復興支援の一助となれれば、おいしいものを生み出す、ほんとうに「おいしい空間」になります。まだまだ課題がありハードルはありますが、実現に向けて頑張りたいと思います。

外観
内部


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