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前回に引き続き、半地下の効能についてご紹介します。

支持地盤の深さを利用して半地下をつくるケースはすでにご紹介しましたが、その他にも半地下ができる場合があります。

敷地が道路面よりも上がっていることはよくありますが、駐車場をつくろうと思うと、そのスペースは道路面に揃える必要が出てきます。さらにそのレベルに揃えて玄関のある階もつくる場合、敷地が1m近く上がっていると、その階を半地下扱いにすることができます。半地下は前回もご説明した通り、容積緩和を受けることと地下扱いにすることができるので、法規制と限られたコストの中で面積を少しでも広げることが可能というわけです。

このケースで半地下にした住宅は、半地下部分をアトリエとゲストルームに利用しています。地上部の窓からの採光と通風も得ることができる、落ち着いた空間をつくることができました。

別のケースで、建蔽率40%容積率80%の地域で、地上面から-1.5mに支持地盤があった住宅では、地盤改良工事や杭工事にコストを掛けるよりも、半地下空間の天井が地盤面から1m以内にあるように計画し、直接基礎を兼ねた容積対象から外れる半地下空間を作りました。地上部の容積だけでは作れなかった、要望されていたアトリエスペースを生み出すことが出来ました。この住宅の場合、半地下空間の前面に比較的大きなドライエリアを作ったことで、まるで地上部と同じような採光と通風が確保され、湿度の心配も全くないとても快適な、おいしい空間が生まれました。

玄関のある階が半地下の住宅
ドライエリアのために地上階のように明るい半地下


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