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我々が住まいの講座でお話させていただいている「プラスアルファーの空間づくり」の中の内容のひとつに、<吹き抜けを作ろう>があります。

そこでは、「もったいないと思われるかもしれませんが、出来れば吹き抜けは作りましょう!」とお伝えしています。実際にも、多くの住宅で吹き抜けをつくらせていただいています。

 特に小さな住宅では、貴重な床面積の一部を抜いてしまうのはとてももったいないように感じます。ですが、平面図を見ている時の部屋の広さと、実際に吹き抜けのある空間に身を置いた時の感じ方は明らかに違います。人間は面積的な大きさだけではなく、立体的な気積で空間を感じるからです。狭い部屋だからこそ、吹き抜けをつくることで広がりと開放感を感じることができるようにもなるわけです。

 また、吹き抜けを通して、上下の階の部屋をつなぐことにより、どこにいても家族の気配が感じられる空間が作れます。リビングとロフトを吹き抜けでつなぐことはよくやりますが、下階で料理をつくる母親と、ロフトで遊ぶ子供達や趣味に勤しむ父親を、ゆるやかにつないでくれる、などといった効果は充分です。

 上階の空間を手すりだけでオープンにつなぐのか、引き戸などで仕切るのかは、寝室などプライベートな空間なの否か、その部屋を使う人が音や光を気にするか否かなどで、建具の素材などを選択していくことになります。

小さな住宅にこそ、吹き抜けを作ることで、空間的な広がりとつながりのある、おいしい空間が生まれます。

 ただ、吹き抜けをつくることで皆さん心配されるのは、夏冬の暑さ寒さ、冷暖房効果です。次回はそのあたりをご説明したいと思います。


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