Home

Essay


 Essay 14・・・・・・「おいしい空間・その1/一粒で二度おいしい」

(共同執筆:TAICS/長谷川えいこ)


 人生、おいしく食することはとても大切なことで

あり、かつ幸せなことである。

生活クラブの食材は、まずもって品質の良さにこだ

わっているから、そもそも美味しい。それをおいしく

調理して、家族や気のおけない仲間と食べれば、ことさらにその味は美味しくなる

わけである。

空間にも、おいしさがあるのをご存知だろうか。

ささやかな食事であっても、雰囲気のいい空間で食べれば、気持はぐっと豊かに

なる。空間の力は意外にも大きいのである。

そんな「おいしい空間」について、シリーズ化してつづってみたいと思う。

 今回は、「一粒で二度おいしい」建築の話し。

屋外空間をうまく活用して、もう一部屋をプラスアル

ファーで持てたようなお得感が得られる方法や、一つ

の部材や施工に二つ以上の役割をもたせて、一石二鳥

にしてしまう方法など。後者は次回に譲るとして、屋外活用の事例を一つ

ご紹介したいと思う。

 例えば、狭小な敷地に住宅の設計を依頼され

た時には、よく屋上緑化を提案する。屋上緑化

自体は施工費UPなのだが、同じ広さの敷地を

入手することを思えば微々たる出費(のはず)。

ディテールをしっかりすれば屋上緑化すること

で、防水層の保護にもなり、断熱効果もUP。

消費エネギーの抑制と都市のヒートアイランド

現象の抑制にもちょっと貢献。それに、自家製

無農薬野菜の収穫も可能。夕暮れ時、ビールを片手に、佇めば、緑化された

屋上が、「一粒で二度おいしい」空間になっていくのである。

「おいしい空間・その2/変幻自在」へ


Home

Essay