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 Essay 13・・・・・・「周公旦」を読んで


失われた礼節を掘り返す

 

 「礼」と言う考え方が生まれてから、約三千年の時が過ぎ、かつて礼を学び美しい国と呼ばれた東海の小島の国では、耐震偽装事件、年金の偽装搾取問題、政治資金の偽装報告など、人としての心の在りようを疑うしかない事件が国を覆って居る。まるで国を挙げて様々な偽装に取り組み、偽装国家を造り上げて居るかのようだ。

 人が獣のような生活に別れを告げ、蛮族の風習の色濃く残る殷の時代から、文明と共に、歴史の中に立ち現れようとしたとき、自然との関わり方、人と人との関わり方、人として在るべき在り様を「礼」として纏めようとしたのが、孔子が聖人と崇めた周公旦(周の武王の弟)である。すべての物事に寿命が有るように、すべての考え方にも有効な期限・時代が有るのだろう。しかしこんな時だからこそ「礼」という考え方を、死語と化す前に、思い返してみるのも良いかもしれない。


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